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警察学校日記

#47 再試

お久しぶりです。一度更新したらまた気が向くまで当分ブログを確認しないので、このように随分と間の空いたコメントのお返事をするという失礼なことになるわけです。申し訳ありません。このお返事が相手に届くかも正直、謎ではありますが。>退職者さんへお疲れ様でした。入って3日で辞めたというのはなかなか理解が得られないかもしれませんが、中途半端な私よりも見極める力が優れているような気がします。「一度入った以上は3年は頑張れ」などという風潮が日本にはありますが、その一方で私も転職で色々と苦労しておりますので身を持って断言しますが、25歳を過ぎるとびびるほどと求人が減るので、3年我慢した結果手遅れになることが多々あります。時間を無駄遣いしないというのは大切なことです。私はさらに入校待ちというまったく意味不明なもので一年使ってしまいました。>そらさんへ色々あったことと思います。まずはお疲れ様でした。私と会いたいということですが、私もこのような内容のブログをやっているくらいですので傷の舐め合いは好きですし、人はグチって発散すべきという考え方の人間ですので気乗りがしない訳ではありませんが、いざ行ってみて盗撮された挙句「このブログこんなヤツがやってたんやで」状態にされるのはとても恐ろしいものがあります。怖い人が出てくるかもしれません。というのが正直なところです。>Mさんへ自分で頑張れていると言えるのならとても良い事だと思います。私も今はそこそこ恵まれた別の仕事をしており、かつての職場をザマアミロと思える程度には人生をリカバリーしましたが、100%振り切った訳ではなくごくまれにふとしたことで昔のことを思い出してどんよりした気持ちになることがあります。友人には「いやおめえまだそんな昔のこと考えてんのかよ」と言われているものの、人間そう簡単に過ぎたことだからといってまるきり白紙にできるものではありません。おそらく、私にとっても一生ものの一つでしょう。>Tri さんへ度々べた褒めしてくださってありがとうございます。まったく更新していないことが申し訳ない気持ちになりました。以前にも書きましたがそういう方向性に興味はとてもあるはあるのです……が、率直なことを申し上げると私の今の仕事は副業が禁止されておりまして、特別な許可が必要になってしまいます。今の職場では私の経歴を伏せていて、恐らく人事しか知らない状態です。(裏ではこそこそ広まっているかもしれませんが)私のステータスで今の職場より恵まれた環境へ行くことは不可能でしょうから、余生をぼちぼちとここで骨を埋めるつもりで働いているので、あまり大事にしたくないという部分があります。こういう弱腰が何やら色々と悪いものを野放しにしている助けになっているのではと我ながら思いますが、今の生活を守らねばならないこともあってなんとも難しいところです。ただ、この負のオーラに満ち満ちたブログの内容をそういう形で褒めていただけるのは素直に嬉しいです。完結(私の退職)までもう少し頑張って更新します。「A。それからF」「「ハイ!!」」普段の吊し上げ会(ホームルーム)が普段の通りに怒声にまみれて終わりかけたところ、突然名前を呼ばれて立ち上がる。心当たりはまるでないが、心当たりは必要とされていない。「おめぇらアレだろ。体力テスト受けてないだろ」(#27参照)「「ハイ!!」」「今日再試あるからな。遅れるんじゃねえぞ」え。なにそれ。記録会を病欠したことは一生の評価に残るレベルで重大な出来事じゃなかったんすかね。その割にはなんかえらいあっさりと再試のチャンスが巡ってきてしまった。……なんて、頭から信じていたわけではないが。こういうあまりにもオーバーな表現の脅しが日常茶飯事だから上官、ひいては警察そのものの不信感を卵である学生たちにさえ抱かせることに繋がると気づかないんだろうか。「特にA。てめえなんか死ぬ気でやれよ。ただでさえ劣ってんだからよ」そしてこういうことを皆の前で平気で言う。ともあれその日の講義を消化したのち、俺とFの二人は再試へ向かわねばならなかった。「あ、ちょっと待って」「なに」「さっきのけん銃の訓練でメチャクチャ担当教官キレてたじゃん」「はあ」「で、N村教官が話があるから全員ちっと教場に残ってろってさ」「全員?全員つったの?」「そう」「なにそれ。どっちが優先なんだよ」「……」係の人間は答えられない。というか今ここに居る人間の中にその答えを出せる者はいないだろう。再試は全部の教場から集められる。そっちに遅刻したほうが惨事になる気がするが。あまり時間は残っていない。「とりあえず教官来るまで、一緒に待機しててくれる?」そうするしかないか。時間が刻々と過ぎていく。一向に教官が現れる気配がない。自分で朝に伝えたのに、二人抜けなければならない事情があることを忘れているんだろうか。恐らく何も考えていないのだろう。再試の開始時間まで残り五分になった。この五階にある教場から戻って制服を脱ぎ捨てジャージにならなければならない。そこから体育館まで走らなければならない。「……おい。なんかもう無理くさいんだけど」「……だよね。解った。俺から言っておくから二人はもう再試に行っちゃって下さい」「すまん場長」二人走りだす。後で聞いた話だが、ここでこうして延々残されていた理由は「担当教官からほとんどの教場が酷かった中でN村教場だけはけん銃の構えがまあマシだったぞ!」とお褒めの言葉をいただいた!などという十秒程度で終わる連絡事項のみだったそうだ。また、「特別に時間外でも練習場を貸してやるから存分にさらに練習しろ!」というボーナスもくっついてきていて、N村教場はさらに自分たちの時間を失う過酷な状況に追いつめられてしまった。「遅刻だな」「ああ。でも担当教官来てねえな」体力試験前だというのに全力疾走した結果はそれだった。ここでも各教官の無責任さがそれぞれキラリと光る。少しでも息を整えようとぜえぜえ言っていると、ちらほらと集まった中に見知った他教場の同期を見つける。「あ、Aくんじゃん。お疲れ。Aくんも引っかかったの?前の体力テスト」「引っかかった……?いや。俺は病欠で受けられなかったんだ。お前はなんだ、落ちたのか?」「そう。D判定くらっちった」あまり危機感を感じられないのんきな顔。以前にも登場した混合教場の男である。おさらいする。警察学校で課される体力テストは反復横跳び、前屈、握力、幅跳び、シャトルランの5つがあり、それぞれに点数がつき合計点によって総合判定が以下の四段階に別れる。・A とても優れている・B 平均より優れている・C 一般人の平均レベル・D 一般人以下「Dがついたら特別コース行きっていうのを聞いてたんだが……特別コースってなんなんだよっていう」「なんか自主練のときとか、訓練の時間、教場から外れて体育担当の教官と一緒にトレーニングメニューやんだって」「それは……どうなんだろうな。N村教場よりも遥かにマシなメニューが待っていそうだが。つーか一度Dついても大丈夫なのかよ……」一生評価に残る……いやそれはもういいが。遅れて教官が体育館に入ってきて、病欠で記録を持っていない組とD判定をもらったゆえに再試になった組に大きく別れさせられる。お陰で人数が把握できる。D判定組はおよそ15人程度だった。同期は相当な人数が居る。割合で言えばごく一部だ。彼らはどこまでひどいがためにD判定がついたのか。C以上の人間はやはり運動がそれなりにできる人間ということなのか。色々不安を抱えて先行して試験に入ったD判定組を眺めていたが、そのうちの一人に眼が止まってなんとも言えない気持ちになる。「おせぇおせぇおせぇ!!!なんだああそれえ!!!おせええ!!!」どこぞの教官がよこについてとある小太りの学生の反復横跳びを大声で罵っている。件の学生はひいひい息を見出しつつステップを踏んでいるが、あまりにも遅い。ちょっと信じられないレベルだ。というか、罵っているのは良く見るとウチの教場の助教であった。(あそこまでひどいのが、今この段階まで辞めずに残ってるって……。どこの教場だか知らんが、あれで今まではそんなに圧力を受けてないってことだろ……それもなんだかな)別に出来ない人間にプレッシャーを加えるのはいい。それ自体は否定しない。やり方次第では問題だが。ただその基準があまりにも教場間でバラバラ過ぎる。あれがN村教場にいたらぼろくそになるまで追い詰められていたはずだ。おそらくは、今その場に存在していなかった結果になるほどに。ひとしきりの試験を終えて、結果カードを受け取る。すると、また先の混合教場の同期が歩み寄ってくる。「どうだった?どうだった?」「B」「ええっ!仲間だと思ってたのに!運動得意だったのかよ!俺またDだったよ!」「いや、得意じゃないけど。言いづらいが、……そんなに厳しくねえよこれ、点数……」私は握力が必要以上にあったり、ジャンプ力が無駄にあったりと色々点を取れる科目が多かったのでそれで稼いだというのもあるが、それを抜きにしてもそこまで困難な数字は課されていない。流石に熱が40度ある中で長距離(シャトルラン)は無理があったので低記録で離脱せざるをえなかったが、それでBということは体調に問題がなければAを狙うのはそう難しくないだろう。「やべー、特別コース行きかー、怖いわー」言いつつ、笑っている。混合教場は本当に危機感がない。周囲の様子を窺うと、D判定の再試組は再びDになった人間が多かったようだ。彼らの末路はよく知らない。たぶん、あまり良いことにはなっていないとは思う。人のことを心配している余裕もあまりない。私が今置かれている状況も極めて過酷だ。教官からマークされ続けている。しかし、N村教場の中でもDこそいないがC判定の人間は多い。仮にもBを出した私のことをこれからは突きづらくなるだろう。まともな神経をしていたら。ましてや「ただでさえ劣っている」などという罵りはもう出来ないと思うが、……さぁ、どう出るのかね。再試の訓練である程度疲れていたし、熱が上がって目眩がしていたが、終わった以上は訓練に合流しなければならない。いつもの無限マラソンが待っている。グラウンドに出ると、普段走っているはずの内周コースに同期の姿が見えない。しばらく辺りをぐるぐる見渡していると、ようやく同期の一人がてくてくと歩み寄ってきた。「お疲れさん。今なー、居室の抜き打ちチェックやるって教官が一部屋一部屋回ってるところ。俺終わったんでこっち来たけど、戻った方がいいかもよ」ここは次から次へといろんな出来事が待っている場所だ。そしてその一つ一つは、全てろくな結果が待っていない。 お久しぶりです。一度更新したらまた気が向くまで当分ブログを確認しないので、このように随分と間の空いたコメントのお返事をするという失礼なことになるわけです。申し訳ありません。このお返事が相手に届くかも正直、謎ではありますが。>退職者さんへお疲れ様でした。入って3日で辞めたというのはなかなか理解が得られないかもしれませんが、中途半端な私よりも見極める力が優れているような気がします。「一度入った以上は3年は頑張れ」などという風潮が日本にはありますが、その一方で私も転職で色々と苦労しておりますので身を持って断言しますが、25歳を過ぎるとびびるほどと求人が減るので、3年我慢した結果手遅れになることが多々あります。時間を無駄遣いしないというのは大切なことです。私はさらに入校待ちというまったく意味不明なもので一年使ってしまいました。>そらさんへ色々あったことと思います。まずはお疲れ様でした。私と会いたいということですが、私もこのような内容のブログをやっているくらいですので傷の舐め合いは好きですし、人はグチって発散すべきという考え方の人間ですので気乗りがしない訳ではありませんが、いざ行ってみて盗撮された挙句「このブログこんなヤツがやってたんやで」状態にされるのはとても恐ろしいものがあります。怖い人が出てくるかもしれません。というのが正直なところです。>Mさんへ自分で頑張れていると言えるのならとても良い事だと思います。私も今はそこそこ恵まれた別の仕事をしており、かつての職場をザマアミロと思える程度には人生をリカバリーしましたが、100%振り切った訳ではなくごくまれにふとしたことで昔のことを思い出してどんよりした気持ちになることがあります。友人には「いやおめえまだそんな昔のこと考えてんのかよ」と言われているものの、人間そう簡単に過ぎたことだからといってまるきり白紙にできるものではありません。おそらく、私にとっても一生ものの一つでしょう。>Tri さんへ度々べた褒めしてくださってありがとうございます。まったく更新していないことが申し訳ない気持ちになりました。以前にも書きましたがそういう方向性に興味はとてもあるはあるのです……が、率直なことを申し上げると私の今の仕事は副業が禁止されておりまして、特別な許可が必要になってしまいます。今の職場では私の経歴を伏せていて、恐らく人事しか知らない状態です。(裏ではこそこそ広まっているかもしれませんが)私のステータスで今の職場より恵まれた環境へ行くことは不可能でしょうから、余生をぼちぼちとここで骨を埋めるつもりで働いているので、あまり大事にしたくないという部分があります。こういう弱腰が何やら色々と悪いものを野放しにしている助けになっているのではと我ながら思いますが、今の生活を守らねばならないこともあってなんとも難しいところです。ただ、この負のオーラに満ち満ちたブログの内容をそういう形で褒めていただけるのは素直に嬉しいです。完結(私の退職)までもう少し頑張って更新します。「A。それからF」「「ハイ!!」」普段の吊し上げ会(ホームルーム)が普段の通りに怒声にまみれて終わりかけたところ、突然名前を呼ばれて立ち上がる。心当たりはまるでないが、心当たりは必要とされていない。「おめぇらアレだろ。体力テスト受けてないだろ」(#27参照)「「ハイ!!」」「今日再試あるからな。遅れるんじゃねえぞ」え。なにそれ。記録会を病欠したことは一生の評価に残るレベルで重大な出来事じゃなかったんすかね。その割にはなんかえらいあっさりと再試のチャンスが巡ってきてしまった。……なんて、頭から信じていたわけではないが。こういうあまりにもオーバーな表現の脅しが日常茶飯事だから上官、ひいては警察そのものの不信感を卵である学生たちにさえ抱かせることに繋がると気づかないんだろうか。「特にA。てめえなんか死ぬ気でやれよ。ただでさえ劣ってんだからよ」そしてこういうことを皆の前で平気で言う。ともあれその日の講義を消化したのち、俺とFの二人は再試へ向かわねばならなかった。「あ、ちょっと待って」「なに」「さっきのけん銃の訓練でメチャクチャ担当教官キレてたじゃん」「はあ」「で、N村教官が話があるから全員ちっと教場に残ってろってさ」「全員?全員つったの?」「そう」「なにそれ。どっちが優先なんだよ」「……」係の人間は答えられない。というか今ここに居る人間の中にその答えを出せる者はいないだろう。再試は全部の教場から集められる。そっちに遅刻したほうが惨事になる気がするが。あまり時間は残っていない。「とりあえず教官来るまで、一緒に待機しててくれる?」そうするしかないか。時間が刻々と過ぎていく。一向に教官が現れる気配がない。自分で朝に伝えたのに、二人抜けなければならない事情があることを忘れているんだろうか。恐らく何も考えていないのだろう。再試の開始時間まで残り五分になった。この五階にある教場から戻って制服を脱ぎ捨てジャージにならなければならない。そこから体育館まで走らなければならない。「……おい。なんかもう無理くさいんだけど」「……だよね。解った。俺から言っておくから二人はもう再試に行っちゃって下さい」「すまん場長」二人走りだす。後で聞いた話だが、ここでこうして延々残されていた理由は「担当教官からほとんどの教場が酷かった中でN村教場だけはけん銃の構えがまあマシだったぞ!」とお褒めの言葉をいただいた!などという十秒程度で終わる連絡事項のみだったそうだ。また、「特別に時間外でも練習場を貸してやるから存分にさらに練習しろ!」というボーナスもくっついてきていて、N村教場はさらに自分たちの時間を失う過酷な状況に追いつめられてしまった。「遅刻だな」「ああ。でも担当教官来てねえな」体力試験前だというのに全力疾走した結果はそれだった。ここでも各教官の無責任さがそれぞれキラリと光る。少しでも息を整えようとぜえぜえ言っていると、ちらほらと集まった中に見知った他教場の同期を見つける。「あ、Aくんじゃん。お疲れ。Aくんも引っかかったの?前の体力テスト」「引っかかった……?いや。俺は病欠で受けられなかったんだ。お前はなんだ、落ちたのか?」「そう。D判定くらっちった」あまり危機感を感じられないのんきな顔。以前にも登場した混合教場の男である。おさらいする。警察学校で課される体力テストは反復横跳び、前屈、握力、幅跳び、シャトルランの5つがあり、それぞれに点数がつき合計点によって総合判定が以下の四段階に別れる。・A とても優れている・B 平均より優れている・C 一般人の平均レベル・D 一般人以下「Dがついたら特別コース行きっていうのを聞いてたんだが……特別コースってなんなんだよっていう」「なんか自主練のときとか、訓練の時間、教場から外れて体育担当の教官と一緒にトレーニングメニューやんだって」「それは……どうなんだろうな。N村教場よりも遥かにマシなメニューが待っていそうだが。つーか一度Dついても大丈夫なのかよ……」一生評価に残る……いやそれはもういいが。遅れて教官が体育館に入ってきて、病欠で記録を持っていない組とD判定をもらったゆえに再試になった組に大きく別れさせられる。お陰で人数が把握できる。D判定組はおよそ15人程度だった。同期は相当な人数が居る。割合で言えばごく一部だ。彼らはどこまでひどいがためにD判定がついたのか。C以上の人間はやはり運動がそれなりにできる人間ということなのか。色々不安を抱えて先行して試験に入ったD判定組を眺めていたが、そのうちの一人に眼が止まってなんとも言えない気持ちになる。「おせぇおせぇおせぇ!!!なんだああそれえ!!!おせええ!!!」どこぞの教官がよこについてとある小太りの学生の反復横跳びを大声で罵っている。件の学生はひいひい息を見出しつつステップを踏んでいるが、あまりにも遅い。ちょっと信じられないレベルだ。というか、罵っているのは良く見るとウチの教場の助教であった。(あそこまでひどいのが、今この段階まで辞めずに残ってるって……。どこの教場だか知らんが、あれで今まではそんなに圧力を受けてないってことだろ……それもなんだかな)別に出来ない人間にプレッシャーを加えるのはいい。それ自体は否定しない。やり方次第では問題だが。ただその基準があまりにも教場間でバラバラ過ぎる。あれがN村教場にいたらぼろくそになるまで追い詰められていたはずだ。おそらくは、今その場に存在していなかった結果になるほどに。ひとしきりの試験を終えて、結果カードを受け取る。すると、また先の混合教場の同期が歩み寄ってくる。「どうだった?どうだった?」「B」「ええっ!仲間だと思ってたのに!運動得意だったのかよ!俺またDだったよ!」「いや、得意じゃないけど。言いづらいが、……そんなに厳しくねえよこれ、点数……」私は握力が必要以上にあったり、ジャンプ力が無駄にあったりと色々点を取れる科目が多かったのでそれで稼いだというのもあるが、それを抜きにしてもそこまで困難な数字は課されていない。流石に熱が40度ある中で長距離(シャトルラン)は無理があったので低記録で離脱せざるをえなかったが、それでBということは体調に問題がなければAを狙うのはそう難しくないだろう。「やべー、特別コース行きかー、怖いわー」言いつつ、笑っている。混合教場は本当に危機感がない。周囲の様子を窺うと、D判定の再試組は再びDになった人間が多かったようだ。彼らの末路はよく知らない。たぶん、あまり良いことにはなっていないとは思う。人のことを心配している余裕もあまりない。私が今置かれている状況も極めて過酷だ。教官からマークされ続けている。しかし、N村教場の中でもDこそいないがC判定の人間は多い。仮にもBを出した私のことをこれからは突きづらくなるだろう。まともな神経をしていたら。ましてや「ただでさえ劣っている」などという罵りはもう出来ないと思うが、……さぁ、どう出るのかね。再試の訓練である程度疲れていたし、熱が上がって目眩がしていたが、終わった以上は訓練に合流しなければならない。いつもの無限マラソンが待っている。グラウンドに出ると、普段走っているはずの内周コースに同期の姿が見えない。しばらく辺りをぐるぐる見渡していると、ようやく同期の一人がてくてくと歩み寄ってきた。「お疲れさん。今なー、居室の抜き打ちチェックやるって教官が一部屋一部屋回ってるところ。俺終わったんでこっち来たけど、戻った方がいいかもよ」ここは次から次へといろんな出来事が待っている場所だ。そしてその一つ一つは、全てろくな結果が待っていない。

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警察学校日記

嘘とか盛ってるだけとか色んなお話を頂いておりますが、ひとつひとつ反応しないのでとりあえずここ読んでください。#35 雑記時間は大切にすべきものなので読まないのは自由です。

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警察官の仕事と採用試験の質問箱

警部になるための道のりは険しいのですか?

ご質問ありがとうございます。 警部補までと比べて、警部への道のりは、やはり険しいといえます。 さらにその上の警視になるともっと難しいのですが・・・ 警察の組織はピラミッド構造(というか、どこの組織でもそうですが)、上になるほど昇進するのが難しくなり...

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最新リスト

警察政策フォーラム「暴力団員の社会復帰対策の今後の課題と展望」の開催について(10月5日開催)

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警察学校日記

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訴えないのですかというコメントが来ていることに気が付きました。えらく遅くなりまして失礼しました。著しく遡りですが、内容に関係ある質問かと思いますのでお答えしておきます。まず私もそれを考えていた時期があり、専門家の方に相談やら行っていたこともありましたが、結論から申し上げると負ける要素がないというお答えを頂いております。過去に同じような判例がいくつかあるので、それがとても強いことのようです。オチで書き記そうと思っていた出来事ですが、内容的にあと僅かであるにも関わらずこの筆不精ペースですといつになるか解りませんので今書いてしまいます。退職する際「メモ一枚でも全て置いていけ。一切持ち帰るな」などと言われましたし、荷物をチェックもされましたが、何を根拠に言っているのか不明だったので無視してこっそりとあるものを持ち帰っておりますので全く証拠がないわけでもありません。(一応、法律上持ち帰ることが問題になるものではありません。個人的なものを回収されることがそもそも意味不明です)少し脱線しますが、このブログの時系列はそれを基に追っています。また、内容自体はあの出来事を自分が忘れないよう、記憶が鮮明な退職後すぐ一気に書き終えたものを公開することが問題になる部分を削ったり、個人名を伏せたりしたものを公開しているに過ぎないものです。要するにもう終わりまで全部完成している訳なんですが、じゃあなんでこんな遅いのだとつっこまれれば、まあただの優先順位の問題です。「退職は自身の個人的な事情によるものです。訴えもしません」という念書も書かされておりますが、勿論なんの拘束力もありません。いや素直に書くなよと思われそうですが、個室に閉じ込められた上監視されており書かないと外に出してもらえなかったのでやむを得ませんでした。なんかやましい自覚があるから書かせたんですかねえ。ただ判例をご存知のようですのでそれで得られるものというのもお分かりかと思います。身分の回復などというものはもう一切関わりたくないので願い下げですし、すると得られるものは金銭だけです。数十万から百万ちょっとというところでしょうか。それをはした金と言って捨てるほど経済的な余裕があるわけではありませんが、また働いている身としてはそのような時間はとれませんし、額としても労力とは見合っていません。しかもそれがどこから出てくるのかといえばただの税金です。溜飲を下げるためだけに訴えを起こすというのも、警察側が「いや適法だった、適法だった」などと連呼して余計イライラするだけなのが見えていますし、「こいつはなあ」と思う相手についてもいいとこ訓告でしょう。要約致しますと、メリットが薄すぎるというのが回答になります。そのへんは司法の限界というか現実というものだと思います。至るまでの道はハンデを背負った状態では楽ではありませんでしたし、大きな努力ともちろん運も必要としましたが、私も今別の道をなんとか見つけてそれなりに満足しています。この更新の頻度がそれをそのまま示しているように、私にとっては既に関心が薄れつつある過去のことだということです。最後に、私と同じような境遇の方も何人かここを見ているようです。納得は自分自身が起こす行動でしか得られませんので、私がどうこう言ってもなんにもなりませんが、ハンデであることは確かです。しかしニートやフリーターやそんな道しかないのかと、自暴自棄にはなるものではありません。探せば何かしらの道はあるものです。などと綺麗事で無責任に煽るだけでは糞の役にも立たないので具体的なエピソードを一つ。一番悩ましいのは職歴について突っ込まれることでしょうか。かといって嘘をついて履歴書を空白にする訳にもいかないので困るところです。私も始めの頃は痺れたままのような頭で色々捻り出しギャップがうんぬんとか他にやりたいことがうんぬんとかデタラメこいておりましたが、まったく成果も上がらず、酷いときには見当外れな説教だけされて終わるという展開もあり、そのうちめんどくさくなったので「いやーこんなとこだったんすよ。教官のローキックで未だに膝は悪いですねえ。あっはっは」などとぶちまけるようになりました。そうしたらなんだか内定が出るようになりましたねえ。選べるくらいには。面接官との相性もありますし、誰にでも通用することではありませんし、普通に考えたら悪手のような気もしますが、私のときはそんなんでうまくいきましたということで。 訴えないのですかというコメントが来ていることに気が付きました。えらく遅くなりまして失礼しました。著しく遡りですが、内容に関係ある質問かと思いますのでお答えしておきます。まず私もそれを考えていた時期があり、専門家の方に相談やら行っていたこともありましたが、結論から申し上げると負ける要素がないというお答えを頂いております。過去に同じような判例がいくつかあるので、それがとても強いことのようです。オチで書き記そうと思っていた出来事ですが、内容的にあと僅かであるにも関わらずこの筆不精ペースですといつになるか解りませんので今書いてしまいます。退職する際「メモ一枚でも全て置いていけ。一切持ち帰るな」などと言われましたし、荷物をチェックもされましたが、何を根拠に言っているのか不明だったので無視してこっそりとあるものを持ち帰っておりますので全く証拠がないわけでもありません。(一応、法律上持ち帰ることが問題になるものではありません。個人的なものを回収されることがそもそも意味不明です)少し脱線しますが、このブログの時系列はそれを基に追っています。また、内容自体はあの出来事を自分が忘れないよう、記憶が鮮明な退職後すぐ一気に書き終えたものを公開することが問題になる部分を削ったり、個人名を伏せたりしたものを公開しているに過ぎないものです。要するにもう終わりまで全部完成している訳なんですが、じゃあなんでこんな遅いのだとつっこまれれば、まあただの優先順位の問題です。「退職は自身の個人的な事情によるものです。訴えもしません」という念書も書かされておりますが、勿論なんの拘束力もありません。いや素直に書くなよと思われそうですが、個室に閉じ込められた上監視されており書かないと外に出してもらえなかったのでやむを得ませんでした。なんかやましい自覚があるから書かせたんですかねえ。ただ判例をご存知のようですのでそれで得られるものというのもお分かりかと思います。身分の回復などというものはもう一切関わりたくないので願い下げですし、すると得られるものは金銭だけです。数十万から百万ちょっとというところでしょうか。それをはした金と言って捨てるほど経済的な余裕があるわけではありませんが、また働いている身としてはそのような時間はとれませんし、額としても労力とは見合っていません。しかもそれがどこから出てくるのかといえばただの税金です。溜飲を下げるためだけに訴えを起こすというのも、警察側が「いや適法だった、適法だった」などと連呼して余計イライラするだけなのが見えていますし、「こいつはなあ」と思う相手についてもいいとこ訓告でしょう。要約致しますと、メリットが薄すぎるというのが回答になります。そのへんは司法の限界というか現実というものだと思います。至るまでの道はハンデを背負った状態では楽ではありませんでしたし、大きな努力ともちろん運も必要としましたが、私も今別の道をなんとか見つけてそれなりに満足しています。この更新の頻度がそれをそのまま示しているように、私にとっては既に関心が薄れつつある過去のことだということです。最後に、私と同じような境遇の方も何人かここを見ているようです。納得は自分自身が起こす行動でしか得られませんので、私がどうこう言ってもなんにもなりませんが、ハンデであることは確かです。しかしニートやフリーターやそんな道しかないのかと、自暴自棄にはなるものではありません。探せば何かしらの道はあるものです。などと綺麗事で無責任に煽るだけでは糞の役にも立たないので具体的なエピソードを一つ。一番悩ましいのは職歴について突っ込まれることでしょうか。かといって嘘をついて履歴書を空白にする訳にもいかないので困るところです。私も始めの頃は痺れたままのような頭で色々捻り出しギャップがうんぬんとか他にやりたいことがうんぬんとかデタラメこいておりましたが、まったく成果も上がらず、酷いときには見当外れな説教だけされて終わるという展開もあり、そのうちめんどくさくなったので「いやーこんなとこだったんすよ。教官のローキックで未だに膝は悪いですねえ。あっはっは」などとぶちまけるようになりました。そうしたらなんだか内定が出るようになりましたねえ。選べるくらいには。面接官との相性もありますし、誰にでも通用することではありませんし、普通に考えたら悪手のような気もしますが、私のときはそんなんでうまくいきましたということで。

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警察学校日記

#44 糾弾教場

「メガネなんかしてんじゃねーよ!こんな激しい運動させてんのによお、そんなんで出来んのかよ!コンタクトにしろコラァ!」あの、うちの教官がメガネなんすけど。たるんだ体型をした奴を見つけるとそいつの実際の能力がどうであれ詰め寄って「デブ、コラ!デブ!」などと罵倒するのもよく見る光景だが、当時の初任教養部長(学年主任みたいなもの)がくっそデブだったので説得力が何もない。学校に居る間言われたことも出来ねえのかと何度も罵られるが、言われたことがそもそもダブスタなので詰んでいる。などと飄々とする余裕は、実際に中にいる間はない。現実はドラクエとかとは違うので、寝るだけでライフは満タンにならない。毎日二十キロ走り続け、疲れきった身体で筋トレをこなし、休む間もなく走り回って係の仕事、書類仕事。睡眠さえ三、四時間が精々では疲労は溜まり、溜まり、少し減り、溜まり、溜まり続ける。まるで糸を引くようなネトネトした重い疲労が身体の中に常に渦巻いており、身体の各所は筋トレの疲労で熱を帯び常にずきんずきんと痛い。とりわけいじめ抜いている足などは外見にも現れ、異様に大きく濃い痣があちこちに出来ていたり、栄養不足か何かは謎だがやたらと攣って歩いている最中にいきなりバランスを崩したり、必死に睡眠を確保している最中に攣って苦しんだりする。起きても頭はシャンとせずズキズキと痛み、目は目脂で開かない程汚れていることがままある。どす黒いクマが消えず。瞳は二重どころか三重、四重くらいに重なっていた。ごくごく稀に、日曜などは隙がある時間があったりする。三十分くらいだが。それでも心底うれしい。少しでも体調を回復したいと思って横になる。ベッドに倒れればしわが出来る。それを治すベッドメイクはちまちまとしていて時間も集中力も浪費し、疲れてしまう。もし完璧なベッドメイクが出来なければ、青紙だ。三十分の睡眠確保のために青紙はリスクが高すぎる。なので自室の床に寝る。固いし寒い。寝れない。昼間なので辺りがまだ騒がしい。それくらいならまだ我慢しようがあるが、何やら隣の部屋からずしんずしんと大きな音がする。隣室の同期がベッドの上で飛び跳ねているらしい。よく解らない呪文が聞こえる。「ジャンピンジャンピン・ジャンピングナウ!」(ね・せ・て・く・れ……)また騒いでんのか。隣の奴はいつもこうだ。第一何を言っている、気が触れてんのか。怒鳴りこんでやりたいような気持ちになるがそんな体力はなく、そもそもあくまで休日なのでジャンピングナウしようが本来はいいのかもしれない。俺だって咳でうるさいだろう。そこはお互い様……だが。いや待てよ。隣の奴には咳がうるせえと罵られたな。おまけに奴はわりと濃度の高い順応者だ。教官崇拝発言が多く、カルト宗教くさいので気が滅入ってくる。お互い様になってない。俺もジャンピングナウがうるせえと怒りをぶちまけに行くべきかもしれない。が、そんな怒りよりも一分寝ていたい。(とんでもねえのが隣に当たった……)お互い同じことを思っていたのかもしれないが。少なくとも隣人がこれでは休息がない。深くジャージを頭から被り目を瞑る。俺は、多分こりゃレオパレスとかには住めねえな……。私が考えていたようなネチネチした思考は、考えるだけに留まらず言葉にしてかなり早い段階からあちこちで飛び交っていた。陰口という形で。そんな連中を蔑んでいたが、いつしか知らず知らずのうちに自分自身がそうなっていたことに気づいていなかった。はけ口がなければ自分の中身がただネジ曲がっていくだけなんだと考えさせられる。今思い返してもあんまり間違ったことを考えている気がしないが。某日。ホームルームで相も変わらず我々は罵られていた。正確には、その日は一人が吊るしあげられていた日だった。何に使うのかはよく知らないが、専門のカメラマンを呼んで一人一人が写真を撮影されている。それが全教場全員分に渡るので、膨大な人数になる。明らかにずるずると時間はずれこみ、食堂の時間を逃し浴場の時間すら逃して辺りは真っ暗になるまで続けられていた。何一つ用事が片付かないまま延々と行列に並び続けなければならず、無駄に疲れる。「んだよ、こんな時間かかんのかよ」教官が廊下を歩きながらブツブツと文句を言っている。結局我々の分が終わったのは夜間就寝前に設けられた自習時間までずれこんでしまっていて、その時間帯に特例で入浴が許されたのだった。件の一人は風呂あがりに冷たいものが飲みたいと考え、いつものクセで風呂あがりに一本ジュースを買ってしまったらしいが、それが教官の目に止まり「てめえ自習時間になにやってやがる」ということになったのだそうだ。自習時間ではジュースを買うのは禁止であるし、そもそもトイレ以外の用事で部屋の外に出てはいけない。そのトイレさえ長時間いればドアを蹴られたりするからな。(もう、くだらねーの一言だなあ)誰が悪いのか。なんとも言えない。ルールを破ったという意味ではその同期だ。ただそんな舐めたスケジュールを組んだのは教官連中が無能すぎるからであるし、風呂あがりに冷たいものを飲みたいという発想はそこまで悪とは私は思わない。馬鹿正直にルールを守ればトイレの手洗い場から出る常温の水道水を飲むしかないのだから、尚更だ。(しかしまあ、なげえな)長いのだ。ターゲットの数に反比例して時間が伸びる。よくもこれだけの時間飽きずにネチネチと色々言葉が出てくるものだ。「オラ、こんな無駄な時間とらせやがってよお、謝れよ。他の奴らもおめーのこと迷惑だって思ってんだよ」「ハイ!申し訳ありません!」「馬鹿野郎!俺にじゃねーよ、同期に謝っとけよ!みぃんなおめえのこと迷惑だって思ってんだからよ!」うわ、うわ。うわ、マジか。「皆さん、すみませんでした、私の軽率な行動で―――」内容はまったく覚えてない。「これからもちゃんとおめーらそうやってやっとけよ」(……本気で言ってんのかよ)その後その同期は膨大な量の反省文を課されていたが、それはまた別の話である。「おい。さっきのヤバくないか」「は?なにが?」「なにがじゃねーよ、最後のだよ。今後悪いとこあったらその度同期に向けてゴメンナサイやるのか?」「え。やるっしょ。つーか言われたんだからやらなきゃだめじゃん」「本気で言ってんのかよ。なんかおかしいなって思わないのかよ。絶対ヤバいこと言ってんだぞ」「なにが?」「教官がだよ」「えー。いいこと言ったと思うよ。いい教官じゃん。みんなの前で謝るチャンスをこれからくれるってことだろ」(…………バカ!!)なんというか、この時心底ぞっとしたんだ。順応者に聞いた私も聞く相手が間違っていたという気がしないでもないが、ここまで手遅れとは思わなかった。本気で洗脳されている。同時に焦りもある。こうならなきゃいけなかった。この教場を乗り切るためには、私もこんな考え方が染み付いていなければいけなかったんだ。(……乗り遅れたんだ。それをくだらねーって見る方に考え方が進んでしまった。もう取り返せない気もする)けどあれだけはまずいぞ。あんなのを許したら今後ずっとそうなるぞ。ここでの「悪いこと」ってのは教官につつかれることなんだろ。でも、教官につつかれることってのはほぼ全てがくだらないことだ。何にも悪くない濡れ衣だったり勘違いだったりするのがほとんどだ。その度時間をとって、全員集めて、頭下げるのかよ。こんな時間に追われる生活の中で。きりがないだろ。そのうち絶対になるぞ。その頭下げた奴に「ふざけんな、またかよ」って、悪くもないそいつのことを悪し様に思うようになって、また陰口が増えるんだ。(……見え見えじゃねーかよ。もう完全にそうなるってわかるだろ。なんでそんなお花畑な答えがサラっと出てくんだよ)寸分違わず的中した。どんな些細なことでも、教官から指摘があれば、夜にでも集まる。そして頭を下げる。ごめんなさいと。私のせいで皆様にご迷惑をかけました、と。それをやらなければ一部のアホどもが声をあげる。「おい、謝らないのかよ」「早く集めろよ」「やらない気かよ。みんなキレるぞ」と。心底最低の環境になった。上からの圧力を耐え忍ぶだけならよかった。真横からもチリチリとどうでもいい圧力がかかってくるようになった。教官が火種を落とせば、生簀の魚みたいにわさわさ動いてお互いのあら探しをする。罵り合う。最低だった。「なんでこんなことになったんだろうな。とにかく空気がクソ悪い。一部の信者はそれに気づいてないのかもしれないが」相談した同期Hは、もう貴重になった常識人だった。N村教場では数少ない転職者の一人で、何やらどこか冷めた様子でいつもいたが、それだけにまだ洗脳もされていないことが明らかで、私はどこかこの相手を心の拠り所にしていた気もする。「おかしいだろって言ったら。なにが?だと。異星人と話してるというか……本気で何がまずいのかを理解していないんだろ。俺は薄ら寒くなったよ」「そういう奴が警察官に向いてて、そういう奴こそが「立派な警察官」になるんだよ」「……かもな。なんなんだこれは。こんなもんが警察だってのか。……なんにもわかってねえ奴らは現場に出てみないととか、何年か我慢しないと何も解らないとかって能天気なフォローをするんだろうな。今の俺達にとっては今あるこの状況だけが全部で、どうしようもないほどこれが警察の全てだろ。……クズ過ぎるじゃねーか。上だけかと思ったら真横もだ」「食ってくために仕事するしかないんだから。やるしかないんだよ。Aはなんか理想があって入ったんだろ。うんざりするのはわかるけど、もうちょっと頑張るしかないんじゃん」「悟ってるな」「年長者だからな」「……食ってくしかないってか。……アレな質問だから、答えたくないなら答えなくていいけど。Hはどうして転職したんだ。なんでここだったんだ」「人間関係で潰されてな。年齢的にも転職先って限られてたし、生活していかなきゃならないし。それでそこそこの給料が貰えて、ハンデなく転職できる道って言ったら現実的にここが選択肢に入った」「そういうものか」「やりがいとかそんなのは二の次だよ。世の中どれだけの奴がやりがいをメインに仕事を選んで、その仕事に就けてるかって、ほとんど居ないぞ。でもいいんだよ食っていくためなんだから」こ、これが年長者の貫禄……言葉が重いぞ。「でも変わらないな。どこへ行っても人間関係は変わらない。クズな上司が居てバカな同期が居て追い詰められる奴がいる。その構図は民間も、ここも何も変わらない」「……こんなヒデエところが他所にもあるのか」「ザラだよ。世の中はクズだらけってことだろ。でもここなんか、今はまだ楽だぞ。頭なんか使わなくていい。発想力も工夫も要らない。ただ言われたことに従ってりゃ給料が発生するんだから」「これが楽だって……すげえな」「Aみたいに集中攻撃されていなければだが」「それがオチか。まあ、だいたいの矛先は磁石みたいに俺の方に飛んでくるからな、ふざけんなとしか言えん。……しかし。なんといえばいいんだ、俺は……軽蔑してしまうんだよな、あいつらを。教官もそうだし、馬鹿みたいに疑問もなくただ従って滅茶苦茶にする同期もそうだ」「別にそれは普通だと思うけど。どっかで割りきらないと続かないんじゃないの、ここ」「それは解ってる……」「理想で入っちゃった奴には難しいのかもな」「じゃ何で入ればよかったんだ、ここは……」「そりゃ、食ってくためだろう」「……世の中って奴は、つまんねえな」 「メガネなんかしてんじゃねーよ!こんな激しい運動させてんのによお、そんなんで出来んのかよ!コンタクトにしろコラァ!」あの、うちの教官がメガネなんすけど。たるんだ体型をした奴を見つけるとそいつの実際の能力がどうであれ詰め寄って「デブ、コラ!デブ!」などと罵倒するのもよく見る光景だが、当時の初任教養部長(学年主任みたいなもの)がくっそデブだったので説得力が何もない。学校に居る間言われたことも出来ねえのかと何度も罵られるが、言われたことがそもそもダブスタなので詰んでいる。などと飄々とする余裕は、実際に中にいる間はない。現実はドラクエとかとは違うので、寝るだけでライフは満タンにならない。毎日二十キロ走り続け、疲れきった身体で筋トレをこなし、休む間もなく走り回って係の仕事、書類仕事。睡眠さえ三、四時間が精々では疲労は溜まり、溜まり、少し減り、溜まり、溜まり続ける。まるで糸を引くようなネトネトした重い疲労が身体の中に常に渦巻いており、身体の各所は筋トレの疲労で熱を帯び常にずきんずきんと痛い。とりわけいじめ抜いている足などは外見にも現れ、異様に大きく濃い痣があちこちに出来ていたり、栄養不足か何かは謎だがやたらと攣って歩いている最中にいきなりバランスを崩したり、必死に睡眠を確保している最中に攣って苦しんだりする。起きても頭はシャンとせずズキズキと痛み、目は目脂で開かない程汚れていることがままある。どす黒いクマが消えず。瞳は二重どころか三重、四重くらいに重なっていた。ごくごく稀に、日曜などは隙がある時間があったりする。三十分くらいだが。それでも心底うれしい。少しでも体調を回復したいと思って横になる。ベッドに倒れればしわが出来る。それを治すベッドメイクはちまちまとしていて時間も集中力も浪費し、疲れてしまう。もし完璧なベッドメイクが出来なければ、青紙だ。三十分の睡眠確保のために青紙はリスクが高すぎる。なので自室の床に寝る。固いし寒い。寝れない。昼間なので辺りがまだ騒がしい。それくらいならまだ我慢しようがあるが、何やら隣の部屋からずしんずしんと大きな音がする。隣室の同期がベッドの上で飛び跳ねているらしい。よく解らない呪文が聞こえる。「ジャンピンジャンピン・ジャンピングナウ!」(ね・せ・て・く・れ……)また騒いでんのか。隣の奴はいつもこうだ。第一何を言っている、気が触れてんのか。怒鳴りこんでやりたいような気持ちになるがそんな体力はなく、そもそもあくまで休日なのでジャンピングナウしようが本来はいいのかもしれない。俺だって咳でうるさいだろう。そこはお互い様……だが。いや待てよ。隣の奴には咳がうるせえと罵られたな。おまけに奴はわりと濃度の高い順応者だ。教官崇拝発言が多く、カルト宗教くさいので気が滅入ってくる。お互い様になってない。俺もジャンピングナウがうるせえと怒りをぶちまけに行くべきかもしれない。が、そんな怒りよりも一分寝ていたい。(とんでもねえのが隣に当たった……)お互い同じことを思っていたのかもしれないが。少なくとも隣人がこれでは休息がない。深くジャージを頭から被り目を瞑る。俺は、多分こりゃレオパレスとかには住めねえな……。私が考えていたようなネチネチした思考は、考えるだけに留まらず言葉にしてかなり早い段階からあちこちで飛び交っていた。陰口という形で。そんな連中を蔑んでいたが、いつしか知らず知らずのうちに自分自身がそうなっていたことに気づいていなかった。はけ口がなければ自分の中身がただネジ曲がっていくだけなんだと考えさせられる。今思い返してもあんまり間違ったことを考えている気がしないが。某日。ホームルームで相も変わらず我々は罵られていた。正確には、その日は一人が吊るしあげられていた日だった。何に使うのかはよく知らないが、専門のカメラマンを呼んで一人一人が写真を撮影されている。それが全教場全員分に渡るので、膨大な人数になる。明らかにずるずると時間はずれこみ、食堂の時間を逃し浴場の時間すら逃して辺りは真っ暗になるまで続けられていた。何一つ用事が片付かないまま延々と行列に並び続けなければならず、無駄に疲れる。「んだよ、こんな時間かかんのかよ」教官が廊下を歩きながらブツブツと文句を言っている。結局我々の分が終わったのは夜間就寝前に設けられた自習時間までずれこんでしまっていて、その時間帯に特例で入浴が許されたのだった。件の一人は風呂あがりに冷たいものが飲みたいと考え、いつものクセで風呂あがりに一本ジュースを買ってしまったらしいが、それが教官の目に止まり「てめえ自習時間になにやってやがる」ということになったのだそうだ。自習時間ではジュースを買うのは禁止であるし、そもそもトイレ以外の用事で部屋の外に出てはいけない。そのトイレさえ長時間いればドアを蹴られたりするからな。(もう、くだらねーの一言だなあ)誰が悪いのか。なんとも言えない。ルールを破ったという意味ではその同期だ。ただそんな舐めたスケジュールを組んだのは教官連中が無能すぎるからであるし、風呂あがりに冷たいものを飲みたいという発想はそこまで悪とは私は思わない。馬鹿正直にルールを守ればトイレの手洗い場から出る常温の水道水を飲むしかないのだから、尚更だ。(しかしまあ、なげえな)長いのだ。ターゲットの数に反比例して時間が伸びる。よくもこれだけの時間飽きずにネチネチと色々言葉が出てくるものだ。「オラ、こんな無駄な時間とらせやがってよお、謝れよ。他の奴らもおめーのこと迷惑だって思ってんだよ」「ハイ!申し訳ありません!」「馬鹿野郎!俺にじゃねーよ、同期に謝っとけよ!みぃんなおめえのこと迷惑だって思ってんだからよ!」うわ、うわ。うわ、マジか。「皆さん、すみませんでした、私の軽率な行動で―――」内容はまったく覚えてない。「これからもちゃんとおめーらそうやってやっとけよ」(……本気で言ってんのかよ)その後その同期は膨大な量の反省文を課されていたが、それはまた別の話である。「おい。さっきのヤバくないか」「は?なにが?」「なにがじゃねーよ、最後のだよ。今後悪いとこあったらその度同期に向けてゴメンナサイやるのか?」「え。やるっしょ。つーか言われたんだからやらなきゃだめじゃん」「本気で言ってんのかよ。なんかおかしいなって思わないのかよ。絶対ヤバいこと言ってんだぞ」「なにが?」「教官がだよ」「えー。いいこと言ったと思うよ。いい教官じゃん。みんなの前で謝るチャンスをこれからくれるってことだろ」(…………バカ!!)なんというか、この時心底ぞっとしたんだ。順応者に聞いた私も聞く相手が間違っていたという気がしないでもないが、ここまで手遅れとは思わなかった。本気で洗脳されている。同時に焦りもある。こうならなきゃいけなかった。この教場を乗り切るためには、私もこんな考え方が染み付いていなければいけなかったんだ。(……乗り遅れたんだ。それをくだらねーって見る方に考え方が進んでしまった。もう取り返せない気もする)けどあれだけはまずいぞ。あんなのを許したら今後ずっとそうなるぞ。ここでの「悪いこと」ってのは教官につつかれることなんだろ。でも、教官につつかれることってのはほぼ全てがくだらないことだ。何にも悪くない濡れ衣だったり勘違いだったりするのがほとんどだ。その度時間をとって、全員集めて、頭下げるのかよ。こんな時間に追われる生活の中で。きりがないだろ。そのうち絶対になるぞ。その頭下げた奴に「ふざけんな、またかよ」って、悪くもないそいつのことを悪し様に思うようになって、また陰口が増えるんだ。(……見え見えじゃねーかよ。もう完全にそうなるってわかるだろ。なんでそんなお花畑な答えがサラっと出てくんだよ)寸分違わず的中した。どんな些細なことでも、教官から指摘があれば、夜にでも集まる。そして頭を下げる。ごめんなさいと。私のせいで皆様にご迷惑をかけました、と。それをやらなければ一部のアホどもが声をあげる。「おい、謝らないのかよ」「早く集めろよ」「やらない気かよ。みんなキレるぞ」と。心底最低の環境になった。上からの圧力を耐え忍ぶだけならよかった。真横からもチリチリとどうでもいい圧力がかかってくるようになった。教官が火種を落とせば、生簀の魚みたいにわさわさ動いてお互いのあら探しをする。罵り合う。最低だった。「なんでこんなことになったんだろうな。とにかく空気がクソ悪い。一部の信者はそれに気づいてないのかもしれないが」相談した同期Hは、もう貴重になった常識人だった。N村教場では数少ない転職者の一人で、何やらどこか冷めた様子でいつもいたが、それだけにまだ洗脳もされていないことが明らかで、私はどこかこの相手を心の拠り所にしていた気もする。「おかしいだろって言ったら。なにが?だと。異星人と話してるというか……本気で何がまずいのかを理解していないんだろ。俺は薄ら寒くなったよ」「そういう奴が警察官に向いてて、そういう奴こそが「立派な警察官」になるんだよ」「……かもな。なんなんだこれは。こんなもんが警察だってのか。……なんにもわかってねえ奴らは現場に出てみないととか、何年か我慢しないと何も解らないとかって能天気なフォローをするんだろうな。今の俺達にとっては今あるこの状況だけが全部で、どうしようもないほどこれが警察の全てだろ。……クズ過ぎるじゃねーか。上だけかと思ったら真横もだ」「食ってくために仕事するしかないんだから。やるしかないんだよ。Aはなんか理想があって入ったんだろ。うんざりするのはわかるけど、もうちょっと頑張るしかないんじゃん」「悟ってるな」「年長者だからな」「……食ってくしかないってか。……アレな質問だから、答えたくないなら答えなくていいけど。Hはどうして転職したんだ。なんでここだったんだ」「人間関係で潰されてな。年齢的にも転職先って限られてたし、生活していかなきゃならないし。それでそこそこの給料が貰えて、ハンデなく転職できる道って言ったら現実的にここが選択肢に入った」「そういうものか」「やりがいとかそんなのは二の次だよ。世の中どれだけの奴がやりがいをメインに仕事を選んで、その仕事に就けてるかって、ほとんど居ないぞ。でもいいんだよ食っていくためなんだから」こ、これが年長者の貫禄……言葉が重いぞ。「でも変わらないな。どこへ行っても人間関係は変わらない。クズな上司が居てバカな同期が居て追い詰められる奴がいる。その構図は民間も、ここも何も変わらない」「……こんなヒデエところが他所にもあるのか」「ザラだよ。世の中はクズだらけってことだろ。でもここなんか、今はまだ楽だぞ。頭なんか使わなくていい。発想力も工夫も要らない。ただ言われたことに従ってりゃ給料が発生するんだから」「これが楽だって……すげえな」「Aみたいに集中攻撃されていなければだが」「それがオチか。まあ、だいたいの矛先は磁石みたいに俺の方に飛んでくるからな、ふざけんなとしか言えん。……しかし。なんといえばいいんだ、俺は……軽蔑してしまうんだよな、あいつらを。教官もそうだし、馬鹿みたいに疑問もなくただ従って滅茶苦茶にする同期もそうだ」「別にそれは普通だと思うけど。どっかで割りきらないと続かないんじゃないの、ここ」「それは解ってる……」「理想で入っちゃった奴には難しいのかもな」「じゃ何で入ればよかったんだ、ここは……」「そりゃ、食ってくためだろう」「……世の中って奴は、つまんねえな」

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元警察官(警察官10年やりました)のブログ(警察官採用試験対策も更新中)

警察学校は警察官になりたい人が行く学校ではありません

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小金井警察署(子ども(公然わいせつ))

4月11日(火)、午後1時30分ころ、小金井市貫井南町2丁目の路上で、公然わいせつ事件が発生しました。(犯人の特徴については、男・中高生くらい・やせ型・黒い短めの頭髪・紺色上下の制服・黄土色っぽいリュックサック、白色と黒色のチェック柄の傘を所持。) 【地図】 http://www3.wagamachi-guide.com/Mail-Keishicho/index.asp?adr=13210006002 【問合せ先】小金井警察署 042-381-0110(内線2612)

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全国の都道府県警察で給料が高いところと安いところはどこか(詳細は有料記事)

警察官の給料は、各都道府県警察によって大きくちがいます。 同じ警察官でも東京(警視庁)の警察官と、沖縄の警察官では給料が全然ちがうわけです。 これはその各都道府県の方針次第なのです。知事を含めてその県の方針が「警察官には高い給料払おう。そういう予算を組もう」というところか、あるいはその逆か。  一番いいのはどこか、逆に悪いのはどこか。 私はやはり警視庁がダントツ一番高給だと思っていました。しかし実はちがうということを最近聞いて驚きました。警視庁は二番目ということでした。さらに一番はどこかを聞いてさらに驚きました。はっきり言って以外でした。よりによってなぜここが警察官に手厚くする?と思ってしまうところでしたこの一番をAとしておきます   給料が安い(低い)のはどこか。もっとも低い都道府県警察は、ほとんど誰もが予想できるところです。ここをZとしておきます また、下位グループの中にかなり意外な都道府県が入っていました。その都道府県は場所・位置で見れば、首都圏に入ります。人口も多く、事件事故の発生はかなり多い。つまり警察官一人当たりの負担は大きいはず。しかし自治体としての規模もかなり大きいはず。予算額も全国で上位に入るはずです。それなのに給料が安い。つまり仕事の負担と収入の条件だけで言えば、条件が悪いということです。ここをVとしておきます 給料が安くても、事件事故が少ないところなら負担・不満も少ないでしょう。でも事件事故が多いのに給料も少ないんじゃ負担も不満も大きいですよね。 これから警察官を志望される方。全国どこの警察官になるかを選択する際の参考にして下さい。警察官人生は何十年と長い期間続きます。年収が50万以上違ったら、生涯で得られる収入にどれだけの差がつくでしょうか。  A、Z、Vはどこの都道府県か。こちらの→note有料記事←の方で実名記載します。 実はVの都道府県には、労働条件だけではわからない魅力もあります。それも有料記事の中に記載してあります。 

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[交通違反]取締り110番[否認したら罰金や点数は?]

東京オリンピック招致に買収疑惑

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160513-00010000-bfj-soci http://he...

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